超音波溶着の原理
超音波は可聴周波数より高い周波数で、一般的には20kHz以上の周波数を言います。超音波溶着に使用する周波数は15kHz、20kHz、30kHz、40kHz、50kHz、70kHzです。超音波溶着は動力的利用ですので、電気エネルギーを機械的エネルギーに変換します。機械的エネルギーは使用する周波数と振動振幅が得られます。この振動振幅に圧力を同時に加える事により、溶着するプラスチックの境界面で強烈な摩擦熱が発生し、そのプラスチックの溶融温度に瞬時に上昇します。プラスチックは溶融し、溶着されます。溶着後は分子結合されますので強力な溶着が得られます。
実際の超音波溶着機の各コンポーネントで説明を致します。20kHzの周波数を例に説明をしますと、100/200V、50/60kHzの電源は発振器(ジェネレーター)によって20kHzの電気的周波数に変換されます。この電気的信号はトランスデューサー(変換素子)によって20kHzの機械的振動に変換されます。20kHzの周波数でトランスデューサー先端振幅は約20μmです。約20μmの振動振幅はブースターと呼ばれる機械的振動振幅変換器によって最適な振幅に変換され、ホーンと呼ばれる共鳴体に伝達されます。ホーンの先端振幅は溶着されるプラスチック部品に必要な最適振幅となります。ホーンの最適振幅と最適加圧力によってプラスチックを瞬時に溶融・溶着します。