iQ シリーズ Auto-Plus 超音波発振器
iQ Auto-Plus超音波発振器は、自動車部品、航空部品、パッケージング、繊維業界向けに設計された発振器です。自動装置で使用することを考慮し、パネルマウント型のユニットは工業用通信プロトコルのiQ-LinQ及びDukaneの特許技術であるMPC(マルチポイント・プローブ・コントロール)ユニットと組み合わせて使用することが出来ます。
iQシリーズ発振器はデュケインの特許技術を駆使して設計されたオールデジタル発振器です。マルチコアプロセッサーによる0.5msでの高速サンプリングレートは、ハイレベルな精度と再現性を実現しました。独自のモジュールデザインにより、簡単に機能の拡張も行えます。
デジタル制御機能
- 100%デジタル制御化された全ての発振器の機能とパラメーターは、精密且つ確実な制御を可能にし、また将来的な機能のアップグレードも容易に行うことができます。
- 最新鋭のマルチコア構造による0.5msのデータサンプリング速度は、溶着の精度と信頼性を向上させます。
- 統合されたイーサネットIP、USB、RS232ポートにより、外部機器からのデータ収集及び発振制御に柔軟性を持たせることが出来ます。
- 3段階の安全な起動シーケンス:
- 1)AC電源の突入保護、2)システム監視モニター、3)プラグアンドプレイ対応の構成ID。
- デジトラックチューニングは、共振周波数をデジタル的に追尾し、発振周波数とスタック(振動子+ブースター+ホーン)の共振周波数が合うように自動的に設定します。
- オーバーロード保護機能は、発振器を安全な状態に保ち、また不具合発生時のトラブルシューティングを容易にします。オーバーロードの出力リミットは、発振器の最大容量により決められています。
- ラインレギュレーション及びロードレギュレーションは、発振中の負荷変動や、入力電圧の変動に影響されず、常に安定した振幅を保つことが出来ます。デュケイン独自の閉回路振幅制御技術により、入力電圧や出力負荷レベルの変動を補正し、設定された振幅を1%以内の誤差で維持し、溶着工程の安定性を高め、またサイクルタイムを短縮させます。
- 高速タクト対応 ? iQ Auto-Plus発振器は、毎分225回の溶着を行うような状況でも安定してご使用頂けます。対応可能なサイクルタイムは、アプリケーションやシステムの仕様によって異なりますので、御相談下さい。
Auto-Plus 超音波発振器
iQ Auto-Plusインターフェース及びI/O
システムI/O
Pin | 信号の説明 |
---|---|
1 | 有効出力(+22V) |
2 | 有効入力(ピン1とジャンパー) |
3 | オーバーロード出力 |
4 | レディ出力 |
5 | エラー出力 |
6 | 超音波ステータス出力 |
7 | 出力コモン |
8 | リモートセットアップ0入力 |
9 | リモートセットアップ1入力 |
表示器 | 状態 | 説明 |
---|---|---|
ステータス | 緑 - 点灯 | レディ |
黄 - 点灯 | 非常停止中 | |
橙 - 点灯 | サイクル中 | |
赤 - 点灯 | オーバーロード | |
赤 - 点滅 | ピークオーバーロード | |
青 - 点灯 | 周波数ロックエラー | |
黄 - 点滅 | 出力異常 |
iQ シリーズ Auto-Plus 超音波発振器 通信
出力トリガー(パテント 7,475,801)
デュケインの特許技術である出力トリガーは、より安定した溶着を可能にします。発振開始時におけるパーツへ与える圧力/荷重が充分且つ安定した状態となります。
出力トリガーは、コスト効果に優れた荷重トリガーの代替手段になります。荷重トリガーではロードセルや基板、ケーブル等のコストがかかる追加部品が必要となりますが、出力トリガーにはこのような追加部品は必要ありません。
超音波スタックをロードセルの代わりとして使用し、設定したトリガー振幅で発振を行いながらホーンが下降し、ワークに接触して出力が上昇し、既定の出力に到達したら溶着振幅に切り替わり、距離制御やエネルギー制御などの通常の溶着サイクルを行います。
PCユーザーインターフェース
iQ Auto PlusのPCインターフェースツールは、全てのiQ Auto Plus発振器に標準で使用できます。これによりユーザーはPCと発振器を接続し、溶着条件設定やI/O設定、システム診断などを容易に行うことができます。インターフェースツールの接続は、前面パネルのハイスピードUSB通信プロトコルに対応したUSBコネクタで行われます。
システムパラメーター
このウィンドウでは、振幅、フリーラン周波数、発振周波数の上下限設定を行うことが出来ます。
I/Oステータスモニター
このウィンドウは、全てのシステムI/O信号をリアルタイムで表示し、システムの状態解析、トラブルシューティングに役立ちます。MPCモジュールの接続状態も表示されます。
iQ LinQ
スタック診断
ユーザーは使用するスタックのテスト発振を行う事ができ、出力や周波数のリアルタイムデータを確認することが出来ます。またスタックスキャン機能は、フリーラン周波数を最適な状態に設定します。
iQ LinQイーサネット/IPモジュール
イーサネット/IPポート搭載でiQ発振器をイーサネット/IPネットワークに接続することが可能です。
イーサネット/IPによるパラメーター制御
- 溶着制御モードを時間、エネルギー、ピークパワーから選択し、その値を設定。
- 振幅、ランプアップ時間、ランプダウン時間を設定。
- 出力トリガーの使用/未使用、設定値の入力。
- 冷却の使用/未使用、設定値の入力。
- アフターバーストの使用/未使用、遅延時間、発振時間の設定。
- 疑問品の使用/未使用、上下限値の設定。
- 不良品の使用/未使用、上下限値の設定。
- フリーラン周波数、周波数ロック、周波数リミットなどの高度なハードウェア設定。
イーサネット/IPによって取得可能なパラメーター
- 全てのパラメーターがイーサネット/IPによって制御可能です。
- 溶着機の状態(超音波発振のオン/オフ)、周波数、出力、振幅などのリアルタイムデータ。
- サイクルカウント、良品/不良品/疑問品の溶着判定情報、溶着時間、エネルギー、ピークパワーなどの溶着サイクルデータ。
iQ シリーズ Auto-Plus 超音波発振器 仕様
iQ Auto Plus 発振器仕様表
周波数 | モデルナンバー | 最大出力 | 電源仕様 |
---|---|---|---|
20kHz | 20AP060-UF | 600W | 単相AC100-240V 50/60Hz 15A (@100VAC) |
30kHz | 30AP060-UF | 600W | 単相AC100-240V 50/60Hz 15A (@100VAC) |
30kHz | 30AP120-2F | 1200W | 単相AC200-240V 50/60Hz 15A |
35kHz | 35AP060-UF | 600W | 単相AC100-240V 50/60Hz 15A (@100VAC) |
35kHz | 35AP120-2F | 1200W | 単相AC200-240V 50/60Hz 15A |
40kHz | 40AP060-UF | 600W | 単相AC100-240V 50/60Hz 15A (@100VAC) |
※:本書の仕様・内容は予告なく変更する場合がございます。
iQ シリーズ Auto-Plus 超音波発振器 オプション
- 高出力アプリケーション用追加ヒートシンク
- MPC(マルチ・プローブ・コントロール)キット
- iQ LinQ:CC-Link、Profibus、Profinet、EtherCAT
iQ Auto-Plusは縦置きでも横置きでも取り付け可能です。
(左の写真はオプションの追加ヒートシンクをつけたモデルです)