Infinityシリーズ サーボ制御 超音波プラスチック溶着機
超音波溶着の基本要素である周波数、振幅、圧力、時間において、空気圧をシリンダーで作動する制御方法は溶着のバラツキ原因の一つでした。世界初のデュケイン社が開発した、サーボモーターによる加圧方法は精密な制御が行われる為に新しい発見と共に不良率を圧倒的に低減した精工な溶着製品を可能にしました。これによって、数多くの新しい制御方法が生まれ、顧客の厳しい検査仕様に満足のいく結果が得られました。
新しいInfinityシリーズでは、従来のサーボ溶着機の安定性を更に向上させるために、より堅牢性を高めたコラム(支柱)構造や、Oリングを使用しない高剛性型ブースターの標準採用、段替え時の再現性を高めたクイックスタックチェンジ構造を採用し、またサイクルタイムを短縮させるために最大荷重は従来のまま、より下降/上昇時の駆動速度を速めたサーボモーターを使用しています。
Infinityシリーズ サーボ制御 超音波プラスチック溶着機の利点
様々な特許技術を搭載した最新鋭サーボ加圧制御による超音波プラスチック溶着機は、空圧制御に比較して以下の様な多くの利点を持ち、超音波プラスチック溶着を使用した生産の安定性を飛躍的に向上させております。
- 発振時間の溶け代のバラツキが改善
- 冷却時間の溶け代のバラツキが改善
- 全体寸法公差が改善
- 引張強度のバラツキが改善
- 溶着面の白濁の削減
- 溶着強度がアップ
- 溶融バリが軽減
- 困難な材料の溶着が可能
- 低いエネルギー消費率
- ランニングコストが低減
- エアコンプレッサー不要
- 必要校正機器はミニマム化
- オーバーホール時間の低減
- 作業環境の改善
- 溶着スピードが瞬時に可変
- 溶着と冷却のスピードを個別に設定可能
- 薄物品に対し精密な距離制御が可能
- 残留応力の低減
Infinityシリーズ サーボ制御 超音波プラスチック溶着機
サーボ制御溶着の優位点例 - 溶着面の白濁削除
業界初のデュケイン社サーボ加圧制御超音波プラスチック溶着機には従来の空圧制御方式に比較して、利点が上述の様に多岐に渡ります。一例として、医療部品に於いて、溶着部に白濁が生じる事で、外観不良や漏れなど問題となっていました。デュケイン社はこの問題をサーボ加圧制御の溶着機で見事解決をし、お客様から絶大な信頼を頂いております。医療部品のチェックバルブで材料はポリカーボネートです。左がその製品で、右が溶着部の断面写真です。断面写真の下側は通常の空圧制御方式で溶着されたもので、溶着面に白濁の気泡が見られます。一方、上側はサーボ加圧制御による溶着断面写真で白濁が完全になくなっています。
チェックバルブ
断面写真(空圧制御とサーボ制御)
Infinityシリーズ サーボ制御 超音波プラスチック溶着機
発振器は旧モデルのDPCシリーズのアナログ発振回路からデジタル発振回路に変わりました。これによって、発振器のサイズは約半分になり、非常にコンパクトになりました。同調周波数レンジ設定が可能になり、3種類(ワイド・ノーマル・ナロー)から選定出来ます。共振周波数が複数ある大型ホーンでも、同調周波数のロックが選択できる事で周波数飛びを起こしません。又、全てのモデルにおいて簡単にソフトスタート時間などの設定が出来るようになりました。ソフトフィニッシュ(発振終了時スムーズに発振を終了する機能)が設定できる事も利点となります。専用の制御ソフトウェアは、お手持ちのPCと接続することによって日本語表示も可能になりました。加圧機構はサーボによる最新技術を採用し、安定した溶着と高品質な製品を製作する事が出来ました。
サーボプレス部の特徴
- リアルサーボシステムで比類なき溶着再現性
- 溶着速度は10段階の可変可能で最適制御
- 最大加圧力は2440N (20kHz) 660N (40kHz)
- リニアエンコーダーによる精密距離制御(分解能1μm)
- ロードセルによる精密実加圧測定
- ダブルホールド制御機能
- マルチトリガー方式(加圧力・位置・出力)
- 上昇端位置調整可能
- Oリング未使用のチタン製リジッドブースター
- 高剛性角形サポートコラム
発振器の特徴
- デジタル制御回路で0.5msの業界最速のレスポンス
- パテントのパルス幅変調回路で最適発振
- オートトラック完全自動周波数追尾
- マルチ溶着制御(絶対位置・溶け代・エネルギー・出力)
- 1%単位のデジタル振幅制御
- 高効率フロースルークーリング機構
- 専用ソフトウェア(Windows用)で簡単な条件設定とデータ管理
- LANケーブルによるPC接続で各種データ保存可能
- 良品・不良品・疑問品判定及びアラーム出力
15kHz サーボ制御 超音波溶着機
40kHz サーボ制御 超音波溶着機
Melt-Match® technology
Melt-Match® technology
溶着サイクル中の超音波スタックの速度を精密制御する事によって、溶着強度が増加したり、溶着バラツキが低減出来ます。 デュケイン社の Melt-Match® 技術はプラスチック材料のメルトフロー速度と超音波スタックの下降速度を精密にマッチングさせる事により、最適な分子間融合を実現させます。これによって空気圧力制御(エアシリンダによる加圧)と比較して、より溶着強度の高い、且つより信頼性の高い溶着結果を得ることが出来るようになりました。
- サーボ加圧機構で、より精密且つ信頼性の高い速度制御が可能です。
- プログラムで、多点の速度プロファイルが出来ます。
- プログラムで、距離による動的(加圧)又は静的(停止)なホールド制御が出来ます。
iQエクスプローラー3ソフトウェアのプロセス中のグラフ表示機能により簡単に最適化された溶着条件を作る事が出来ます。最適な溶着プロセスは安定した強固な溶着を行う上で非常に重要です。
第三者機関の独自調査では、他社の空気圧力制御の最高機種の超音波溶着機と比較してデュケイン社のiQサーボ圧力制御超音波溶着機は工程能力指数(Cpk)が大きく増加し、最上級の溶着プロセスである事が証明されています。
Infinity サーボ制御 超音波プラスチック溶着機プレスシステム 仕様
発振器タイプ |
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オペレーション | 両手スタート方式採用/非常停止押しボタン または PLCからのスタート信号 |
最大加圧 |
X4スラスター:4500N (15kHz, 20kHz) X3スラスター:2400N(20kHz) X2スラスター:2400N(20kHz) X1スラスター:660N(30kHz, 35kHz, 40kHz, 50kHz) |
電源電圧 | 単相AC200~240V (50/60Hz) |