iQ Auto-Plus MPC 分配器内蔵型超音波発振器
iQ Auto-Plus MPCは、軽量・コンパクトで定評のiQ Auto-Plus発振器と、MPC(多点プローブ制御)ユニットを一体化させた超音波発振器です。大型部品の多点スポット溶着や多点カシメを複数回に分けて行う場合に、1台の発振器で最大8本の振動子を切り替えて制御することが出来るため、組み立て装置の製造コストを抑えることが出来ます。
iQ Auto-Plusの機能はそのままで、特許技術の出力トリガー機能や、エネルギー制御、距離制御(要外部エンコーダー)も使用できます。コンパクトなボディは制御盤内に組み込むことができ、最大出力は600W(30kHzと35kHzは1200Wモデルもあり)とスポット溶着やカシメなどには十分な容量を持っています。
デジタル制御機能
- 0.5msの業界最速のサンプリング速度と100%デジタル制御化された全ての発振器の機能とで安定した超音波発振を実現
- タイム制御、エネルギー制御、外部信号制御だけでなく、距離制御オプションを追加することで、外部エンコーダーを使用した距離制御も対応可能
- 装置PLCとiQLinQ-イーサネット/IP接続(オプションでCC-Link、Profibus、Profinet、EtherCATも対応)をすることで、全ての制御、モニタリングがPLCから行うことが可能
- MPC(多点プローブ制御)ユニットを発振器と一体化させたことにより、必要設置スペースもコンパクトになるだけでなく、配線作業も減り、装置製造コストを削減
- 特許技術の出力トリガーで、溶着開始時の製品にかかる荷重を安定させることができ、溶着品質を向上
- 無償の専用ソフトウェア:iQ Commander(コマンダー)をPCにインストールしてUSB接続することで、設定変更だけでなくサイクルデータやグラフデータも収集可能
iQ Auto-Plus MPC 超音波発振器
MPCユニットを発振器と一体化した省スペース/省配線設計
iQ Auto-Plus MPC のその他の機能
出力トリガー(パテント 7,475,801)
デュケインの特許技術である出力トリガーは、より安定した溶着を可能にします。発振開始時におけるパーツへ与える圧力/荷重が充分且つ安定した状態となります。
出力トリガーは、コスト効果に優れた荷重トリガーの代替手段になります。荷重トリガーではロードセルや基板、ケーブル等のコストがかかる追加部品が必要となりますが、出力トリガーにはこのような追加部品は必要ありません。
超音波スタックをロードセルの代わりとして使用し、設定したトリガー振幅で発振を行いながらホーンが下降し、ワークに接触して出力が上昇し、既定の出力に到達したら溶着振幅に切り替わり、距離制御やエネルギー制御などの通常の溶着サイクルを行います。
iQ Commander PCユーザーインターフェース
iQ Auto PlusのPCインターフェースツールは、全てのiQ Auto-Plus MPC発振器に標準で使用できます。これによりユーザーはPCと発振器を接続し、溶着条件設定やI/O設定、システム診断などを容易に行うことができます。インターフェースツールの接続は、前面パネルのUSB2.0コネクタで行われます。
溶着条件の設定以外にもI/Oのモニタリングやサイクルデータやグラフデータの確認も可能になります。
iQLinQ
超音波発振器専用通信プロトコル
iQLinQ通信プロトコルは、デュケインの超音波発振器を外部PLCから制御、モニタリングするために開発された通信プロトコルです。
イーサネット/IPを標準装備しており、オプションでCC-Link、Profibus、Profinet、EtherCATなどにも対応しています。
iQLinQ-イーサネット/IP接続
イーサネットポート搭載で発振器を装置PLCとイーサネット/IP接続することが可能です。
イーサネット/IPによるパラメーター制御
- 溶着制御モードを時間、エネルギー、ピークパワーから選択し、その値を設定。
- 振幅、ランプアップ時間、ランプダウン時間を設定。
- 出力トリガーの使用/未使用、設定値の入力。
- 冷却の使用/未使用、設定値の入力。
- アフターバーストの使用/未使用、遅延時間、発振時間の設定。
- 疑問品の使用/未使用、上下限値の設定。
- 不良品の使用/未使用、上下限値の設定。
- フリーラン周波数、周波数ロック、周波数リミットなどの高度なハードウェア設定。
イーサネット/IPによって取得可能なパラメーター
- 全てのパラメーターがイーサネット/IPによって制御可能です。
- 溶着機の状態(超音波発振のオン/オフ)、周波数、出力、振幅などのリアルタイムデータ。
- サイクルカウント、良品/不良品/疑問品の溶着判定情報、溶着時間、エネルギー、ピークパワーなどの溶着サイクルデータ。
iQ Auto-Plus MPC 発振器仕様表
周波数 | モデルナンバー | 最大出力 | 電源仕様 |
---|---|---|---|
20kHz | 20AM060-UF-C2-XX | 600W | 単相AC100-240V 50/60Hz 15A (@100VAC) |
30kHz | 30AM060-UF-C2-XX | 600W | 単相AC100-240V 50/60Hz 15A (@100VAC) |
30kHz | 30AM120-2F-C2-XX | 1200W | 単相AC200-240V 50/60Hz 15A |
35kHz | 35AM060-UF-C2-XX | 600W | 単相AC100-240V 50/60Hz 15A (@100VAC) |
35kHz | 35AM120-2F-C2-XX | 1200W | 単相AC200-240V 50/60Hz 15A |
40kHz | 40AM060-UF-C2-XX | 600W | 単相AC100-240V 50/60Hz 15A (@100VAC) |
※ 型式末尾の「XX」には接続可能な振動子の数(02/04/06/08のいずれか)が入ります。
※ 本書の仕様・内容は予告なく変更する場合がございます。